0.5日ほどズレこみんでしまい誠に恐縮ですが、最後、今年の特実・問題IIの「出題予想」(の名を借りた直前ウォーミングアップ)までたどり着きました
ちょうど前回のレターを配信したあとでYouTubeを見ていたら、陸上短距離・世界選手権メダリストの為末さんが、ウォーミングアップに関する動画が公開されているのを見かけました
この中で為末さんが、
「(万人に対して)これがウォーミングアップと言えるものを提示することはなかなか難しい」
という趣旨のことをおっしゃってました
試験勉強における直前対策、前日の過ごし方もまったく同様の側面があります
最も大事なことは、
「自分のカラダを明日の本試験当日に本試験会場に運ぶこと」
「(特別措置がある場合を除いて)試験中に手にペンをもって答案を書くこと」
この2つです
それ以外のアレコレは、各受験生が思い思いに過ごしてほしいなと思います
(試験会場における注意といったレギュレーションに従うのは前提です)
ただ、
「点数を取る」
という観点からは、次の6つを強く意識することをオススメします
- 問題文の指示(要請)に従う
- 結論+理由づけ (根拠条文はマスト)
- 要件は漏れなく検討+効果に言及
- 「例外のみ」(△)⇒「原則⇒例外の順」(〇)で記述
- ペース配分 (とりわけ特実)
- (解答の)スペース配分 (とりわけ意匠・商標)
これらの6つは、無視すればするほど得点は下がりますし、重視すればするほど得点が上がっていきます
また、これら6つ以外のことは重んじなくても合否に大きく影響しないです
(ちなみに、僕が公開している過去20年分の答案例は、当たり前ですが、全80通、上記6つを意識して書かれています)
スポーツも受験も、
「今まで培ってきた自分の実力を発揮する」
そのためにウォーミングアップをするわけなので、「出題予想」といった具体論に入る前に、より普遍的な基礎・基本である上記6つの心がけをこの場を借りてご紹介しました
その上で特実・問題IIですが、ご存じのように特許・実用新案の出題は、
問題 I:(国際)出願 系
問題II:侵害 and/or 審判 系
という原則は貫かれています
そんな原則は貫かれつつ、過去問を分析していると設問表現に傾向があると把握できます
この傾向を出題者の(考え方)変遷による時代の移り変わりだと僕は捉えているのですが、現在の科目が採用された平成14年以降で整理すると、言うなれば、
- 平成14~15年:論述時代
- 平成16~22年:措置(項目列挙)時代
- 平成23~27年:条文説明(趣旨)時代
- 平成28~令和2年:小問時代
といった区分けができるように思っています
もちろん、各時代は厳密に分かれているのではなく、重なりも多分にあるのですが、問われていること/出題形式の重点が数年ごとに入れ替わっているように見えます
そんな中、昨年からは
令和3年~:「あてはめ・評価」時代
とでも呼ぶべき新たなトレンドに明確に突入したと考えています
これは何も、問題Iの各問において、
「事実をあてはめて結論付けよ」
と問われていたからだけではありません
これは的確な指摘がまだ難しいのですが、より重要なのは「事例の出され方の質」が変化しているように見えるんですね
具体例を3つ挙げます